「アイラン・カン」展<山本想太郎>

本日よりリレーブログを引き継ぎました、山本想太郎です。よろしくお願いいたします。


アイラン・カン展01
「アイラン・カン」展

いよいよ、まるまる一週間2010年中の最後の週です。そこでこの一週間は、今年私がしてきたことを振り返りつつ、ご紹介したいと思います。
本日は、今年の2月から5月に静岡県三島市のヴァンジ彫刻庭園美術館で行われた「アイラン・カン-内なる本棚」展です。この会場全体の展示デザインを、山本想太郎設計アトリエが担当いたしました。
世界的に活躍されている韓国人アーチスト、カン・アイランさんとは2007年に「妻有田中文男文庫」でコラボレーションして以来、多くの仕事でご一緒させていただいています。彼女の作る「光る本」のアートは、LEDを内蔵したアクリル製の本が色を変化させながら明滅するというもので、込められた意味性の深さと同時に非常にストレートな美しさを兼ね備える、魅力的なものです。会場の一室に並べられた透明な本棚は、その魅力を「空間化」する仕掛けとして、2008年の別の展示の際に私が考案したものです。本棚を構成する縦板がアクリル板のみで作られており、水平方向の視線を遮らず、さらに反射による虚像も重なって「光る本」が無限に散らばるような空間を生み出します。

アイラン・カン展03
「アイラン・カン」展-本棚


光る本
カンさんが私にプレゼントしてくれた「光る本」

またもう一室には、人の動きに反応する映像アートのために、外部からは鏡面、内側からはスクリーンとなるようなガラス・ブースを設計しました。これもカンさんの不思議なご要望に、新素材ガラスを考案してお応えすることができました。


アイラン・カン展05


アイラン・カン展04
「アイラン・カン」展-映像ブース

この展覧会は新聞など多くのメディアでとりあげられ、おかげさまでカンさんの国内初の美術館における個展は成功を収めました。現在、カンさんの作品はうらわ美術館で開催中の「これは本ではない」展(2011年1月23日まで)で見ることができます。また同展会場にも置かれているカンさんの作品集「AIRAN KANG 2006-2010」には、私の撮影した写真が数多く使われています。非常に見応えのある、お勧めの展覧会ですので、ご興味をお持ちいただけましたら是非どうぞ。



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