現在、「住宅建築」誌に「潜入!HEAD研究会」という連載をしています。先日発売された2011年2月号では、「キッチン製品とプラン」というタイトルで建築家の中村研一さん、三沢亮一さんと鼎談を行っています。今日はこのHEAD研究会について書きます。

住宅建築2011年2月号
先日ご紹介した「建築家を知る/建築家になる」では、現代日本において建築と建築家を取り囲む状況の困難さについても論じました。そのような状況を打開するための基本はもちろん、個々の建築家がしっかりとした設計をし、良い建築を生み出していくことです。しかしそれだけではなかなか変化していかない大きなシステムがあることもまた事実です。そのような問題意識から私はいくつかの研究活動に参加しているのですが、なかでも今年本格的に活動を開始したこのHEAD研究会では、毎月一回の研究会を幹事として担当しています。

HEAD研究会は、「日本の建材と部品の能力をとき放つ」という目標を掲げ、建築家の松永安光さん、研究者の松村秀一さんなどを中心に立ち上げられた民間の研究会です。多くの建築家・研究者・建材メーカー・施工者などの方々が参加しています。私の担当している部門は、「住宅が建てられるプロセスにおいて建築主・建築家・施工者といった関係者が『良い建材・良い建築』に関する情報と意識を共有していけるような情報基盤を作る」という研究です。具体的な成果として、まずは第一線の建築家が推薦する「建材ベストセレクション・データベース」を作成中です。
他にもリノベーションや海外進出に関する研究を行っている部門があり、公開シンポジウムも数回行われました。2011年にはこの研究会もNPO法人化し、上記データベースも公開に向けて練り上げていく予定です。今後も随時、情報を発信していきたいと思います。

HEAD研究会の詳細と活動記録については、こちらのHPをご覧ください。