私の担当最終日は、メニューの中で唯一まだ書いていなかった「旅&食」という項目をクリアするため、旅先で見る建築について書きたいと思います。
まずは本年見学して、特に印象に残った建築から。

法隆寺。修復現場の中も見学しました

青根温泉、青根御殿。仙台でのワークショップで宿泊

大阪ガスビル。近代の名建築
旅先に限らず、私が積極的に見学する建築は、現代建築よりは古い建築という傾向があります。寺社などの古建築だけでなく、数十年前に建てられた近代建築などもよく見ます。
私は建築家ですから、実際の建設現場で多くの知識を得ることができますが、長い時間を経た建築の姿というものは、自身の設計した建物ではまだ見られません。そして古い建築の見学から得られるものは、歴史を積み重ねた建築の趣や、経年変化に耐える素材や構法といった技術的な知識だけではありません。建築という営為が、過去と未来の時間を繋いできた、その存在の重みを感じることができるのです。それは建築の歴史の一瞬のみに加担する自身の設計の意味を、身を引き締めて考える原動力となります。
それが住宅であっても大きな施設であっても、時の深まりのなかでなお意味を持ち続ける建築とは何か、それを個々の建築家が考え、実践することなしに、建築家という職能もまた続いていくことはできないと思います。
さて、ブログでありながら当日とは無関係に(クリスマスにすら触れず・・)、本年の活動報告に終始いたしました私の担当週も、これで終了です。お読みいただき、どうもありがとうございました。