遠距離移動<池村圭造>

高校生になった時分から、学生の頃は遠距離通学、働き出してからは遠距離通勤と、もう、三十年近くも遠距離移動を続けています。一日の1/8、起きている間の1/6近くの時間を、ほぼ毎日、電車に揺られて過ごしていることになります。 電車の中は、本を読んだり、音楽を聴いたり、うとうとしてみたり、中吊り広告から世間の様子をうかがったり、図面を広げ三角スケールを取り出して仕事をしたりと、要するに、自分だけのレクリ...