駐車場のイルカ

我が家では、お客様をイルカがお出迎えします。

このイルカが誕生するまでには、長い長ーーーいドラマがあるのです。
そのドラマを以下に青字で書きますが、どんなイルカか早く見たいかたは、どうぞ読み飛ばして下さい。


エクステリアのデザインをどうするか考えるために、図書館から何冊も本を借りてきて、夫婦で読みまくっていた時、

妻は「駐車場も、意識してデザインすれば、一番最初にお客様をお迎えするエントランスの役割を持つようになる。」という一文を見つけ、

夫は、駐車場に打たれたコンクリートの中に小石を埋め込むことで、イルカの絵が描かれたお宅の写真を見つけ、

夫婦そろって、「駐車場に、イルカをデザインしてもらおう!」と決めました。

そしてここから、ワタクシ達夫婦と、ミサワホーム東海エクステリア担当の中村おさふみさんとの、長い戦い(?)が始まったのです。

中村さんに最初に提案したのが、駐車場のコンクリートが割れないように入れる溝でイルカを描く方法。

駐車場全面にコンクリートを張ると、後からヒビが入る可能性があるので、コンクリートに溝を入れる必要があると聞いて、「じゃあ、その溝を、イルカの形にしてもらおう」と思って書いたのがこちらのデザイン画。


nIxbBIgAQu.jpg

これを中村さんに見せたところ、
「尾びれの部分が鋭角になっていたり、細くなっていたりするので、そこの部分の強度が心配です。尾びれの端がかけてしまったり、細くなった部分にひびが入ってしまうと思います。」
と、渋い顔をされてしまいました。


「石を並べて描いたらどうだろう?」
と提案したら、今度は
「石がポロッと取れてしまう恐れがあるんですよ・・・」
と、これも心配顔。


中村さんは、カラーコンクリートを流しこんで描く方法もあると教えてくれたのですが、今度はワタクシのほうが、
「カラーコンクリートは、何年か経つとかなり汚れが目立ってきますよね?」
「そうなんですよね~。」
この案も不採用となりました。


そうして、中村さんが提案してくれたのが、

イルカの絵を、『洗い出し』という施工方法で描くというもの。

洗い出し・・・街で見かけたことがあると思います。コンクリートの中に細かな玉砂利を混ぜた、こんな道。


TzYlDGHoYO.jpg

これでイルカのシルエットを描くのです。

イルカの姿も全身ではなく、上半身だけ、「水面から顔を出しているようなイメージ」で描けば、大きな面積が取れるので、ヒビや欠けの心配が少なくなるということで、デザインされたのがこちらでした。


rvOVBfyZiA.jpg

グレーのイルカ。

この案でお願いすることになったのですが、イルカの目の部分をどうしよう?という問題が出てきました。黒くて丸くて大きな瞳。これを表現するためには、石か、ガラスか・・・中村さんが提案したのは、ライトを埋め込む方法でした。

SPLoe0BHvF.jpg

ユニソン ヘリオスグランドライト

でも、夜になると目が光ってしまう。それはイヤ。

「他のものですと、石やガラス・・・ビー玉といったところでしょうか・・・ご自身で手配してもらえますか。」
と、中村さんからお願いされました。


こうして、今度はイルカの瞳探しが始まりました。

まず、夫がリサイクルショップで見つけたのは、占いに使うような大きな水晶・・・に見せかけたガラス玉。

「大きさもちょうどいいし、これにしよう!」
という夫に、妻は大反対。
「こんな透明のガラス玉、コンクリートに埋め込んだら、イルカの目が、死んだ魚の目になっちゃう!」
と、猛然と抗議しました。そうして、死んだ魚の目をしたイルカを想像して、夫婦で苦笑し、「これはダメだな」と他を探すことにしました。


次に妻が提案したのは、アイスホッケーのパック。
黒いし、厚みがあるし、おまけに丈夫。早速ネットで調べてみたら、なんと強化ゴムでできているとわかりました。
いくら強化されていても、ゴム製では、何年かしたら劣化してしまいます。


次に夫が見つけたのは、金属製の大きなハンマーの頭。杭を打つ面は丸いから、それを上にしたらどうだろう?と考えたのです。

でも、実際に見てみたら、杭を打つ面は磨いてあって銀色。それに鉄だから錆びるかもしれない。

「やはり、石しかない!」と、電話帳やネットで、黒御影石をイルカの瞳に加工してくれるところを探しました。

でも、石の加工って、簡単ではなかったんです。
従来の石材店さんでは、石を削り出す型から作らなくてはいけないので、特注扱い。費用も数万円かかると聞きました。


そんな中、ネットで検索して見つけたのが『夢石』(ドリームストーン)さん。
http://www.e-dream-stone.co.jp/

夢石さんのホームページで、黒御影石でできた沓石の写真を見て、「もしかしたら、黒御影石を加工してくれるかもしれない」と思って、ダメでもともと!当たって砕けろ!と、メールでお願いしてみました。

「駐車場に洗いだしでイルカの絵を描きたいと思っていて、瞳になる部分を探しております。黒御影石で、直径6㎝・高さ10㎝の円柱で、天面のみ鏡面磨きのものを作っていただけませんか?」

そうメールしたところ、夢石さんは早速、製作可能であることと、見積もり金額を返信してくださったのです。

商品代に代引手数料と送料を足しても、なんと!2千円弱! ワタクシ、喜ぶあまり小躍りしながら、製作をお願いいたしました。

そうして出来上がってきたイルカの瞳は、黒御影石の艶やかな肌が、まるでこじんまりとした茶筒のように美しく仕上げられておりました。
ワタクシ、「つぶらな瞳だ!」と、何度も撫でまわしていたくらいです。(嗚呼!写真を撮っておけばよかった!)


<追記> 夢石様のご厚意で、イルカの瞳の写真を送って頂きました。夢石様、ありがとうございます。我が家のアルバムでも大切に保存いたします。


イルカの瞳



イルカの瞳・天面


夢石様、メールのやり取りのみで、ワタクシどもの希望していたものを上回る、つぶらで愛らしい瞳を作って下さって、受け取りました時に感激いたしました。あの瞳が無ければ、我が家のイルカは、全く別物になっていたことでしょう。心から御礼申し上げます。

さて、夢石さんに作って頂いた、つぶらで可愛らしい瞳が入るイルカ。
やっぱりグレー一色ではなく、ぐん!とイルカらしくなるように、口からお腹の部分を白くしたい!


ワタクシ、担当の中村さんに、洗い出しの小石の色を、白とグレーの2色にしてもらえないかお願いしてみました。

しかし、小石の色を分けるには、白い部分とグレーの部分別々にセメントを流し込まなくてはいけないそうで、白い部分の面積が小さいので、車の加重が何度もかかると、コンクリートが取れてしまう可能性が出てきてしまうと言われてしまいました。

家の建設が進み、外構工事の開始日が間近に迫っていました。何とか別の方法を見つけて、我が家のイルカを素晴らしいものにしたい!

またまたインターネットの出番です。

「駐車場 イルカの絵」「駐車場 イルカのデザイン」「駐車場 アート」「駐車場 デザイン」「駐車場 デザイン イルカ」・・・・・思いつくいろいろな言葉を入れて画像検索し、これは!と思った物の記事を片っ端から読んでいきました。

コレ、使えるかな?と思った方法は・・・

『ブラストアート』
固まったコンクリートに細かな砂粒をぶつけてコンクリートの表面を削り、模様を描く方法。でも、特別な業者にお願いしなくてはいけない。


『クリスタル・グレイン』
粉砕したガラスを混ぜた樹脂塗装で、絵を描く方法。色が鮮やか過ぎて、うちには合わない。


『塗装する』
塗料を塗って塗装する。でも、経年劣化は確実。塗り直しが必要になる。


悩んでいた時にふと目に留まったのは、固まる前のコンクリートに葉っぱを押しつけて、模様を描いた写真。コレ、使えるんじゃないだろうか?

調べたら、『スタンプコンクリート』という方法だとわかりました。

早速、担当の中村さんに、

① グレーの玉砂利を混ぜたコンクリートをイルカの姿全体に流し込んで、お腹の部分は洗いださずに白っぽいコンクリートのままにする。

② ただ、そのままだと周りのコンクリートと同色になってしまうので、感じを変えるためにぞうきんなどを押しつけてスタンプする。

③ 背中の部分は洗いだしてグレーにする。

という、素人ならではの『洗い出しを洗い出さずにスタンプ案』を出してみました。


yO4ZDlAMFp.jpg

これなら、イルカの色分けをしても、コンクリートの面積は広いままなので、施工可能かも?と思ったのですが、中村さんから「スタンプコンクリートは、専門の業者に施工してもらわないといけないので、費用がかなりかかってしまう」というお返事をもらいました。

しかし!中村さんもなんとかワタクシの希望を叶えられないかと、施工業者の株式会社チトセさんと相談をして下さったそうで、確かにイルカの白い部分は面積が狭くなってしまうけれど、車の重圧くらいだったら問題ないだろうということで、白っぽい石と、グレーの石と、2色で施工して頂けることになりました。


mQDgPR05Lw.jpg

イメージ図

ただ、なにか重いものを上に落としたりすると、その衝撃で、白い部分が、パカン!と外れてしまう可能性があるので、注意が必要だということでした。

これで、施工方法が決まり、後は職人さんに全てをお任せするばかりです。

イルカの部分は、職人さんが手作業で木枠をはめて作ります。つまり、イルカの出来は職人さんの腕次第! チトセさん!宜しくお願いします!


そうして出来上がったのが、こちら!

VM3fb8Gghv.jpg

もう、申し分ない出来でございます!素晴らしい腕でございます!イルカの口のところ、この細いカーブを出すのは非常に難しいと、ネットの記事で読んで知っていたのですが、見事に作っていただきました。その難しさを口にすること無く!寡黙!まさに職人でございます!
株式会社チトセの皆さま、素晴らしいイルカを、本当にありがとうございました!

そして、中村さん。ワタクシのわがままに、施工開始ギリギリまでつきあってくださって、素晴らしいアイデアを授けて下さいましたことを、心から感謝しております。ありがとうございました。

ミサワホーム東海の中村おさふみさんに、イルカを長く長く楽しめるように、施工方法を吟味して頂き、夢石(ドリームストーン)さんに、瞳を削り出してもらい、(株)チトセさんに、見事に施工していただいた我が家のイルカ。

瞳を作ってくださった夢石さんにお名前を頂いて、「夢石イルカ(ゆめいしイルカ)」と名付けました。

(株)チトセさんのお名前は、エントランスのもうひとつのポイントにピッタリなので、そちらに付けさせていただこうと思っています。

まだ8割しか出来上がっていない、もうひとつのポイント。
いつか出来上がりましたら、ブログ記事にして、ご紹介したいと思っております。


それから・・・

もしもイルカの上に重いものを落としてしまって、あごがパカン!と外れてしまった時には、「失敗話」として、ご報告したいと思います。




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ミサワホーム東海で木造注文住宅『蔵のある家』を建設。
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