以前にも書きましたが、家を建てる際に我々が特にこだわったのは、明るさ・風通し・収納の3つでした。
その中の一つ、部屋の中の明るさに関しては、お互いの実家が、なぜか南を向いているのにもかかわらず、昼間でも電気をつけなくてはいけないほど暗いことや、当時住んでいたアパートの玄関が、暗くて陰気だという実体験から、「明るい家がいい!」と、本を読み、建て売り物件を見学しに行って、各部屋の実際の明るさを見て、よくよく考えました。
北に面した部屋でも、窓を設ければ明るさは確保できますが、やはり、南に面した部屋と比べると暗い。
その暗さは、明るい部屋(南の部屋)から暗い部屋(北の部屋)に移動すると、より強調されてしまいます。
たとえば、明るい居間から、北に面した部屋に移動すると、目が明るい部屋で慣れてしまっているので、余計に「この部屋、すごく暗くて嫌だな~」と思ってしまうという具合に。
南に面して間口がとーっても広い敷地でない限り、どうやっても『明るい部屋』と、『暗い部屋』はできてしまいます。
それならば、とワタクシが考えたのは、『明るいのが似合う部屋と、暗いのが似合う部屋を作る』という方法でした。
南面には、明るいのが似合う、玄関・居間・子供部屋を配置。ある程度明るさが欲しい階段は、北面に設置しつつも、窓をつけました。(窓を付けた時の階段の明るさは、間取りが似ている建て売り住宅に、実際の明るさを見に行きました)
北面には、暗いのが似合う和室と、照明で明るさを確保できればいい洗面所や浴室、トイレや納戸を配置しました。
また、軒付きの広いベランダが欲しかったため、南に面しているのにもかかわらず主寝室が暗くなってしまいましたが、(軒が出れば、日が入らずに部屋が暗くなる)寝室として使うから問題はないと考え、あえてその暗さが似合うように、部屋の一部に、重厚感のあるデザインの壁紙を使用したり、カーテンも、それに合うように選びしました。
さて、先ほど「和室は暗いのが似合う」と書きましたが、きっとこれを読んでいらっしゃるかたの中には、「暗い和室って、陰気で不気味・・・」と感じられるかたもおられると思います。
実はワタクシもそう思っておりましたが、「料亭では、わざと軒を出して部屋を暗くしてある。人は、明るさを抑えた部屋のほうがくつろげるからだ。」という情報を知って、考え方を変えました。
「和室は、薄暗いほうがしっとりと趣があっていい」・・・・ええ、ワタクシ、ハウツー本に影響されやすいタイプです。
「和室は薄暗いほうがいい」と言っておいて何なのですが、実は我が家の北向きの和室、そんなに暗さを感じません。ちょうどよい仄暗さです。
白い壁紙と、地窓のおかげなのか、南と西にある出入口からも光が入るからなのか・・・。とにかく、百聞は一見に如かずです。写真を載せますので、ご覧ください。

暗くもなく、隣のリビングほど明るくもなく、ちょうどよく仄暗い。この仄暗さ、昼寝にいい感じです。
地窓の向こう側には坪庭を作る予定です。出来上がったら、かなりの癒しの空間になるはず。(ちょっと鼻を高くしております)
ついでに、暗さが似合うようにデザインした主寝室も、自慢させてください。

我が家の中で、一番かっこいい部屋です。
一番自慢できる部屋が、客間でも、人の集まる部屋でもなくて、プライベートの部屋ってところが、失敗と言えば失敗でしょうか。
しかも、今、ランドリー室と化しています。