5月5日の午後からは図書教養係主催の職場見学が開催されました


同じ南極観測隊といっても担当が違うとお互いにどんなことをしているのか？
意外と分からないのです


任意の参加でしたが高い参加率で、2チームに分かれて今回の見学場所を巡りました

もちろんそれぞれの担当隊員による解説付き


【気象棟】
14次隊で建設された建物で60次の越冬中に新築の基本観測棟へ引っ越す予定
使用されているところを見れるのは我々が最後の隊ということになります



地上気象観測装置の前に座るのは気象担当の加藤隊員


屋根の上にもいくつかの観測装置があり解説してもらいました


5人の気象隊員が交代で24時間体制の観測を続けています

悪天の予報は隊員の命にかかわる大事な情報ですので急変を無線で周知したり
オーロラや蜃気楼といった自然現象の発生も知らせてくれたりします


【地学棟】
19次隊で建設された建物でいずれは気象棟と同じく基本観測棟へ引っ越す予定


解説は地圏担当の松本隊員


少し離れたところにある地震計室・重力計室という建物で行っている観測を
モニターしていて世界中で起きた大地震の震動なども分かるそうです


【観測棟】
8次隊で建設され36次隊で観測用ボンベ庫が増築されています


解説はオレンジの羽毛服を着た気水圏担当の金森隊員


屋根上の観測装置を解説してもらった後は建物内の観測装置を見学


二酸化炭素や酸素など、空気の観測をする装置が沢山ありました


【情報処理棟・光学観測棟】
22次隊で建設された情報処理棟に隣接して42次隊で建設された光学観測棟
二つの建物は内部で行き来できるようになっています




装置を指さしているのが一般研究観測（宙空圏）担当の二村隊員
オーロラや星の観測をしており、オーロラの観測装置だけで8個もあるそうです


観測装置の解説中




【多目的大型アンテナ用レドーム】
29・30次隊で建設されたレドームと呼ばれる建物
風速60m/sにも耐えられる設計で内部のアンテナを保護します


内部に入ると大きなアンテナが




衛星受信棟から遠隔操作でアンテナを動かし解説をしてくれたのは
設営：多目的アンテナ担当の内海隊員

この大きさのアンテナが目の前で動くのは見応えありました


【作業工作棟（新汚水処理棟）】
27次隊で建設され53次隊で新しい汚水処理装置が設置されています


汚水処理の仕組みを解説する青い作業服、設営：環境保全担当の和泉隊員


この装置で基地からの汚水は日本国内と同じ基準まで処理して排水されます


【発電棟】
23・24次隊で建設され洗面所・トイレ・浴室といった水廻りと理髪室などがあります
写真中央の赤い建物で、管理棟とは通路棟でつながっている基地主要部の一つです



今回は観測隊の生命線である電気と水道について見学

制御室脇の階段を降りると発電機エンジンが2基




まずは制御室で設営：発電機制御盤担当の大槻隊員による解説


発電機エンジンは通常1基ずつを動かし500時間ごとに切り替えて写真一番左の
設営：発電機エンジン担当の菊田隊員が定期点検を実施します


発電機の制御・運転がしっかりしていないと停電→観測・暖房の停止につながり
隊員の生命にかかわる一大事なのでとても重要な役割を担っています

発電機エンジンの奥に飲料水の造水装置や温水暖房装置などがあります

緑の作業服、設営：機械設備担当の倉島隊員による造水装置の解説




観測隊は隊員それぞれが役割を果たすことで観測も生活も守られていることを
改めて実感することが出来ました